夏に読んだ本など

Dustbin Baby Jacqueline Wilson 38,000語
これ、とても面白かったです。設定的には結構衝撃的じゃないですか! 生まれてすぐにピザ屋のゴミ箱に捨てられたこども、って。内容的にも辛い話も多かったのに、最後は感動して涙が出てしまいました。
今自分を育ててくれている人(養母?)と、誕生日にほしかったけどもらえなかった携帯電話のことで揉めた14歳の主人公Aprilは、自分がこれまでにたどってきた場所を順にたずねていく、という一日の物語。
はじめの養父母の不和と自殺、とか、フォスターチルドレン同士のトラブルとか、読んでいて、息が詰まるような出来事も起こりつつ、現在の養母との出会いなんかは、読んでいるうちに謎が解けるような気持ちにもなりつつ。
彼女が自分の存在を肯定的にとらえられるようになっていく過程がとてもうれしいお話でした。
英語も簡単で、広い年代にオススメ!

Animal Farm  語数 30,039
George Orwellの『動物農場』です。オーウェルは『1984』しか読んだことなかった(それも中学くらい
の時だし)のですが、昨年イギリスに滞在したとき、たまたまオーウェルが一時期住んでいた家に拠点を置いたこともあって、何か読んでみようとずっと考えていました。そして、有名だし、薄くて帰省中に読むのにちょうどかな、と借りたわけ。
(ロンドンは、有名人が住んでいた家などに青い丸プレートが貼られています。名前と生年・没年と簡単な説明、くらいなのですが、捜しながらうろうろするのも楽しいですね)。
有名すぎる話なので、ストーリーにはあえて触れませんが、あらすじを聞くのと、実際に読むのではおもしろさが全然違いますね!(当然か)寓話的に書かれているけど、「そのまんまじゃん!」みたいにあからさまに書かれているともいえ、いやはや面白かったです。特に、はじめの条文がどんどん変わってしまう(が、もう動物たちには、はじめの条文が思い出せない)というところが、秀逸だと感じました。
英語は平易ですし、英語ならではのおもしろさもあると思います。

読みながら、「こんな風になってしまうのも、豚だから仕方ない=そもそも豚には国なんか運営できなかったのだ」的ラストになっちゃったら嫌だな〜と思っておりましたが、ちゃんと最後はイギリスに代表される西欧に対しても毒が効いていて、よかったです。
始めに解説がついてて、オーウェルはスペイン内戦時に、社会主義の矛盾を感じたとか。しかし、この本を出そうと思ったときはちょうど第二次大戦中で、ソ連ナチスドイツと戦ってくれる頼もしい盟友だったということで、出版できなかったらしいんですね。
で、戦後冷戦になったら、バカ売れしてしまう。
でもオーウェル自身はスターリンより先に死んでしまっています。(1950年没、スターリンは1952年ですよね?)別の本には、オーウェルが亡くなったときには、まだこのような高い評価ではなく、ソ連への妄想にとりつかれている、というような言われようだったと書かれていました。
なんかそのこと自体が皮肉だなぁ〜と思いました。

The Willoughbys 27,923(おおよそ)
米amazonのページ
Lois Lowryの新作だったので、思わず手に取りました。
今回は絵もご本人が描かれています。なかなか味がある!
ちょうどLemony Snicketのシリーズを読み終えた私ですが、これもまた、童話のパロディです。
4人兄弟(双子は同じ名前なのでAとBと呼ばれてたり)の両親のひどいこと!でもこどもたちも負けてないし。
いろいろな要素が入っていて、また複数の名作にも言及があります。(ラストに索引あり)