『「女縁」を生きた女たち』上野千鶴子編

1988年に出版された『「女縁」が世の中を変える』の2008年再編集版。 当時の文章を第1部に、そのあと、この本をともに編集したアトリエFのメンバーと上野氏の2008年時点からの総括が書かれている。いや〜おもしろくて、一気に読みました。”えんじょいすと”と…

 「小高へ」

島尾信三のエッセイ集。なかに写真が複数枚含まれる。 『死の棘』で著名な両親や妹の思い出を中心とした家族の物語で、読んでいると、家族の呪縛というか、怨念というか、そういうものを感じて、重苦しい気持ちにもなる。島尾信三のエッセイは、中国や香港に…

倉沢進・李国慶 (2007) 『北京:皇都の歴史と空間』中公新書. 中島京子 (2008) 『平成大家族』集英社. 万城目学 (2009) 『プリンセス・トヨトミ』文藝春秋.

 『真説・外道の潮騒』町田康

書き出しの「長幼の序」の話から、いきなりニヤニヤ。 最後まで可笑しかったのだけれど、このおかしさ、っていうのはなんだろう。 ああ、あるある、というような、先週上司から企画書の説明を聞きながら、そりゃないだろうと思いつつも表だってそれを言った…

 『最後の授業』

コンピュータサイエンスの研究者が、大学から依頼された「最後の授業」とする企画講義を行うが、実は彼は末期ガンで、余命の宣告を受けたばかりだった。そんななか、彼が行った「子どもの頃の夢を本当に実現するには」は、大変な評判を呼び、ウェブサイトな…

 『僕と1ルピーの神様』と「スラムドッグ・ミリオネア」

春に日本でも公開される、「スラムドッグ・ミリオネア」の原作を読みました(邦訳)。 映画を楽しみにしていたので、どうしようかなぁと思っていたのですが、ちょうど図書館に行ったら、返却済みの棚に載っていたので。 著者の本職はインドの外交官らしい。…

 『レボリューショナリー・ロード』

サム・メンデス監督、ケイト・ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオ主演の現在公開中映画の原作。図書館においてあったので、かり出して読んだが、文庫本も出ているもよう。私が借りたほうの邦題は「家族の終わりに」。新しい文庫本は映画邦題に合わせ…

 時が滲む朝

うーん、芥川賞を取ったことで、かなりぼろくそに批判する声も多かった本作ですが(北京オリンピックだから取ったのだ、とか)、そこまでひどく言われなくても、と思いました。(まぁ話題になって良かった、と出版社なら思うのでしょうか。一般人の目線で見…

 ガラスの宮殿

アミタブ・ゴーシュの2001年発表の長編小説。図書館で翻訳を見つけて借りてきて、はじめはちょっと取っつきにくかったのですが、後半は一気読み! 長いし、インド系作家の英語は難しいイメージがあり(Salman Rushdieとか・・・)英語は読んでません。19世紀…

世界はフラット化しているのか?

なんかに使えそうか、と思っていた、トマス・フリードマンのMITでの講義、The World is Flat を見ている。 ここはMITのサイトだが、iTunesUやYoutubeでも見られる。911のあと、それまでのOlive Tree とレクサスの話は全部捨て、インドのIT産業などを調べ、ド…

 有川浩 『阪急電車』幻冬舎

神戸に引っ越しが決まったあと、知人から、読むといい、と進められていたので、こちらに引っ越して、図書館のカードを作るなり予約を入れた本だ。なのに、借りるまで半年かかった。ご当地モノだからなのか、すごい人気である。(図書館の所蔵冊数もかなり多…

Stargirl まだ半分くらいだが、面白くなってきた。

チーム・バチスタの栄光図書館で借りて読んだ。 主人公が1度目は一人で、2度目は相棒(こっちが探偵役?)と一緒に、違う方法で聞き取りをする、というところはおもしろかった。 推理としては、ちょっと肩すかし感もあり。 犯人捜しよりも、それを可能にした…

 兄弟

余華の『兄弟』を読みました。 実はどういうわけか、うちに中国語の原書がありますが(面白いよ〜という噂を聞いて、ついつい買ってしまったが、当然読めずにおいてある)、邦訳が出たので図書館に予約をかけて。 1週間足らずでぐいぐい読んでしまいました。…

余華『兄弟』上・下巻。読み始めたら泊まらなくなって、数日で読んでしまった。 噂に違わず面白かった。 感想はまた改めて。

 「鬼が来た!撮影日記」

香川照之著の表題の本を図書館で見つけたので、読んでみた。 面白いとは聞いたことがあったけれど、ほんとにあっという間に読んでしまいました。 映画を見直したいが、レンタルショップにあるだろうか?購入すると5000円くらいする。 チャン・ウェンはこの映…

著者の島村さんが亡くなったときき、気にはなっていたけれど、読まずにいた『ロマンチック・ウイルス』を読む。ヨン様からハンカチ王子まで、中高年女性のファンが殺到したアイドルが話題になった2000年代。こうしたアイドルに夢中になることを、「ロマンチ…

夏に読んだ本などDustbin Baby Jacqueline Wilson 38,000語 これ、とても面白かったです。設定的には結構衝撃的じゃないですか! 生まれてすぐにピザ屋のゴミ箱に捨てられたこども、って。内容的にも辛い話も多かったのに、最後は感動して涙が出てしまいまし…

田村はまだか 朝倉かすみ 2008年図書館で借りて読んだ本。 笑ったりほろっときたり、これは大人の同話、日常的ファンタジーだ、と思いました。 同窓会後、遅れて遠方から来るはずの田村を待ちながら、同級生が語り合う、という。始め短編かと思って読んでい…

5月から延々読んでいた、A series of Unfortunate Events をとうとう読み終わりそう。最終巻半分弱まで来た。このシリーズはこども向けだが、むしろ外国人の大人(=私)にお勧めだと思う。基本的におとぎ話のパロディなので、皮肉が大人向けに思える。また…

The Outcasts of 19 Schuyler Placeいつもながらにカニスバーグ深い!冒頭のサマーキャンプから、おじさんたちのダウンタウンの思い出話とJakeへの初恋、そこから塔の話へと一気に展開して、それがきちんとつながっていく手腕もさることながら、小さいエピソ…

最近なんか忙しくて、ポッドキャストでニュース聴いてても、なんだか右から左へ流れていっちゃいそうな、あるいは気が付いたら寝てたり〜な毎日で、しかし久しぶりに読み応え(聞き応え)のある小説でした。Audible Amazon.co.jp (ペーパーバック)まず、設…

ポッドキャストでTBSのストリームをかなり頻繁に聞いているのだが、先週のオススメ本の回(豊崎由美さんが紹介していた)で、興味を持った本があったのでメモ観光 原著はこっちSightseeing タイ系アメリカ人の短編集だそうで、著者の名前”ラッタウット・ラー…